ワオワールドの母体であるワオ・コーポレーションは45年にわたって教育事業を展開してきました。
この間、少なくとも30万人以上の幼児・小・中・高生の教育に携わり、今も全国で約4万人の生徒(会員)が通ってきています。ワオワールドは「教室や教科学習では指導できない大切なこと―例えば、感動すること、他人の痛みを自分の痛みとして分かち合うこと―」、こういったことを全国の多くの子どもたちに、映画という疑似体験を通じて伝えていくことを目的に創設されました。したがって、自社作品では<親子が安心して一緒に観ることができる>、そして観た後で<作品を話題にして、親子が会話できる>ことをブレることのないコンセプトとして貫いてきています。とはいえ、時代と社会の変化にともない、受け手である子供たちを取り巻く情報環境も大きく変わってきています。情報を発信する側が、いくら大切なことを語っても、視聴行動までのハードルが高ければ受け手には届きません。その時々の社会状況を踏まえたうえで、受け手にとって受け取りやすい手段で届け、かつ気楽に楽しめる、でも学べる要素がしっかりと入り込んでいる。それがエデュテインメント作品だと考えています。『タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の科学者たち~』がTVシリーズで、『ワオっち!ショートアニメ』がWeb配信であるのはこういった理由によるものです。
他方、ワオワールドではさまざまなプラットフォーム向けの、そしてさまざまなジャンルの受託作品の制作にも取り組んできました。受託作品においては、クライアントの思いとニーズがまずありきです。クライアントの思いを自分たちの思いとして捉え、ニーズを的確に理解し、一方で客観的な視座にもとづいて提言を行い、常に「しっかりとしたカタチにするには、何がベスト、ないしは、よりベターな選択か?」を意識して行動してきました。
その結果、品質がスタッフ各個人のセンス・技術・力量にもっとも左右されやすい、このコンテンツ制作分野において、大型案件でも安定したクオリティとスケジュールを維持するための独特の制作体制を構築してきました。
また、予算の消化状況と制作進捗率をクライアントの担当者さまと共有できるしくみがあることで、安心して大型案件をおまかせいただいています。
数多くの制作案件のプロセスにおいては、大小さまざまなトラブルやトラブルの芽になりそうなことが発生します。トラブルの芽を早く摘むために、あるいはトラブルが大きくなる前に解決するためにはメンバー全員の中に、どれだけ「ちゃんと」作るという意識が定着しているかがカギだと考えています。
コミュニケーションの記録を「ちゃんと」残す。正しいワークフローに沿って「ちゃんと」次の工程に回す。
アニメーターも朝に「ちゃんと」出社する。間違いや失敗が発覚した時は「ちゃんと」謝る。クライアントに対しても、伝えなくてはいけないことは「ちゃんと」言う。……こういった、一つ一つのことに対する小さな「ちゃんと」が、大きな “「ちゃんと」作る”の必要十分条件である、というのが私たちの考えです。